ゲルト・ミュラー
（Gerhard Muller）
1945.11.03

　ドイツ最高のスライカーと呼ばれているのが「デル・ボンバー（爆撃機）」と称されたゲルト・ミュラー。
　プレイ自体はそれ程凄いボール扱いをするわけでも、スピードに優れたわけでも、そして、パスも秀でていたわけではなかったが、ずば抜けた得点感覚とポジショニングで泥臭いプレーを得意とし、どんな体勢からでもゴールを決めることができた。何故かゴール前の彼の所にボールが集まってくるのである。ミュラーは特にペナルティエリア内でゴールを背にし、相手ＤＦにコースを消されているときでさえ、比類のないすばやさで下半身を反転させ、左右どちらの足からもグラウンダーのシュートをゴール隅にたたきこんだ。７４年のＷ杯決勝、オランダ戦の決勝ゴールは、彼のプレーを凝縮したものといえる。また、決して高いとはいえない身長ながらも抜群のポジション取りによって、多くのヘディングシュートも決めることができた。「ＦＷの仕事は得点を挙げること」を体現した史上最高のストライカーであった。その驚異的な得点能力から、付けられたあだ名が「デル・ボンバー（爆撃機）である。

　ワールドカップ通算14得点は、2002年日韓ワールドカップ現在の通算得点保持者で、1970年のメキシコワールドカップでは10得点で得点王に、1974年のドイツワールドカップでは4得点で、地元の優勝に貢献した。決勝戦でのドイツチームの2点目はゲルト・ミュラーの得点で、奇しくも通算得点記録を決めた得点が自身代表最後の得点にして、1974年のドイツワールドカップ最後の得点、そして、ドイツ優勝を決定づけた得点となった。

　1964年からベッケンバウアーやマイヤーと同じバイエルン・ミュンヘンに在籍し、15年で4度のリーグ優勝、7度のリーグ得点王、3度のチャンピオンズカップ制覇とバイエルン・ミュンヘン黄金時代のストライカーとして君臨し続けた。

　ブンデスリーガでは、427試合で365得点、ワールドカップでは13試合で14得点、ドイツ代表では、62試合で68得点と技術では無く、本能で得点すると言うことを体現したストライカーと言える

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