ディエゴ・アルマンド・マラドーナ
(Diego Maradona)
1960年10月30日生まれ
「神の子」と称されたアルゼンチンの国民的英雄、1986年のメキシコワールドカップでは、マラドーナの大会と呼ばれるほどの大活躍、準々決勝のイングランド戦では「神の手ゴール(本当はハンド)」、ワールドカップ最高のゴールと言われる「五人抜きドリブル」と見た人に強烈なインパクトを与えた。
スピード・テクニックの全てが超人的、ドリブルは、小さな身体ながらも、下半身が地を這うようなドリブルで、相手DFをきりきり舞いさせ、そのドリブルはボールが足に吸い付いていると言われた。体が小さいことから接触プレーでは不利な為、相手が届かない所にボールをコントロールしてドリブル突破していこうと考えて練習を積んできたことで、技術が身についたのだろうと語っている。その技術の集積がメキシコワールドカップの「五人抜きドリブル」と言える。1986年6月22日アステカスタジアム、先取点となった「神の手ゴール」から4分後、センターサークル付近で相手からボールを奪ったマラドーナはあっという間に1人、2人とイングランドの選手を抜き去り、右サイドを走り去り、3人目、4人目を、そして、最短距離でペナルティエリアに入ると、5人目の選手となるイングランドGKピーター・シルトンを抜き去り、無人のゴールへ左足でシュート。その瞬間、アルゼンチンのサポーターはマラドーナを神と崇め、イングランドサポーターはマラドーナの伝説を目の当たりにされてしまった。
キックの精度も完璧に近く、フリーキックの精度、パスの精度、どれをとっても世界最高レベル。マラドーナがいれば、どんな試合にも勝てると思われた。現に、イタリアセリエAの「ナポリ」を2度のスクデット、コッパイタリアとUEFAカップを1度ずつ獲得し、ナポリ市民はマラドーナを「ナポリの王」と称賛した。しかし、神のイタズラか、1990年イタリアワールドカップの準決勝で、アルゼンチンが対戦したのはイタリアだった。しかも、試合会場は「ナポリ」、ナポリ市民にとっては、それは残酷な選択だった。自国を応援すべきか「ナポリの王」を応援すべきか、そして、運命の残酷さか、その試合で、イタリアはアルゼンチンの前にPK戦の末、敗れ去った。最も優勝にふさわしいと思えたチームだったが、マラドーナによって、夢を絶たれてしまった。この一件で、ナポリサポーターと不仲となり、イタリアワールドカップの翌年、ナポリからスペインのセビージャへ移籍した。その後、1994年のアメリカワールドカップに出場するも薬物使用によって、大会を追放。ワールドカップで伝説を作った男にとって、最後のワールドカップになった。
どちらかと言えば、ボールを持ちすぎる傾向が強いが、それを超越するキープ力と得点能力、パスセンスを持っており、あまりにも彼の能力が突出しているため、彼の出来が当時の(超一流チームだった)アルゼンチン代表やクラブの運命を決めていたと言っても良い程。マラドーナがボールを持った瞬間から、試合が動き出し、チームを活性化させたと言っても過言ではなく、チームメイトにとっては正に「王」だった。
サッカー選手としては、超一流だが、私生活では、問題の多さが目に付き、ゴシップ記事の格好の餌食になっている感じが否めない。
マラドーナ語録
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